東邦大学医療センター大森病院でNIPT(新型出生前診断)を受けました。
38歳のときに採卵した卵子で体外受精した私。妊婦の年齢に比例してダウン症の発症確率が上がることが気になっていました。「ダウン症かもしれない」という不安を抱えたまま長い妊娠生活を過ごすことが嫌だったため、出生前診断の種類の中でも、精度が高く、妊娠初期に検査が受けられて、流産リスクがないNIPT(新型出生前診断)を受けました。
- NIPT受診の流れ
- 1. NIPT検査病院を決める
- 2.検査の予約
- 3.遺伝カウンセリングを受ける、検査に同意する、採血する
- 4.検査結果の説明を受ける
- 東邦大学医療センター大森病院でのNIPTについて
- NIPTを受診して
NIPT受診の流れ
- NIPT検査病院を決める
- 検査の予約をする
- 遺伝カウンセリングを受ける、検査に同意する、採血する
- 検査結果の説明を受ける
1. NIPT検査病院を決める
NIPT検査を実施している病院には、種類が2つあります。
①NIPTコンソーシアムが認定している病院
②NIPTコンソーシアムが認定していない病院
私は①NIPTコンソーシアムが認定している病院でNIPTを受けました。NIPTコンソーシアムが認定している病院でも認定していない病院でも、採血した血液を海外の機関に郵送し検査しているため、どちらでも結果の精度は変わらないようです。受診病院を決めた決め手は、もし陽性だった場合に、たくさん悩むだろうし、相談できる場所が欲しいと思ったからです。
もともと産科に通っていた東邦大学医療センター大森病院でNIPTを実施していたことから、東邦大学医療センター大森病院でNIPTを受けました。
認定病院はNIPTコンソーシアムWEBサイトで検索できます。 http://www.nipt.jp/info/link11.cgi
①NIPTコンソーシアムが認定している病院では、
- NIPT検査の前に遺伝カウンセリングによる十分な説明がある
- 陽性反応が出た場合の確定検査(羊水検査)の追加費用が必要ないなどのフォロー体制が充実している
- 産婦人科医と臨床遺伝専門医が在籍している
- 配偶者の同意が必要
- 検査を受けるためには、以下の3項目のいずれかを満たしている必要がある
・分娩予定日の年齢が35歳以上である。(凍結胚移植による妊娠の場合、採卵時の年齢が34歳2か月以上である)
・13トリソミー、18トリソミー、21トリソミーと診断された児を妊娠したことがある。
・現在妊娠中の胎児が染色体の変化(13トリソミー、18トリソミー、21トリソミー)である可能性の上昇を指摘されている。 - 検査と結果確認のため2回の通院が必要
一方、②NIPTコンソーシアムが認定していない病院では、
- 受診のための条件がなく、年齢制限もない
- 産婦人科医や臨床遺伝専門医が在籍していない場合がある
- 受診前の遺伝カウンセリングが十分とは言えない
- 陽性の場合、確定検査(羊水検査)は別途料金がかかる場合がある
- 配偶者の同意を必要としない病院もある
- 結果を郵送してくれる病院もあり、1回の通院で済む場合がある
Googleで「NIPT」と検索して、一番上に広告として表示される病院の多くは無認定の病院でした。その中には美容外科医しか在籍していない病院も表示されています。
無認定の病院では、どんな年齢の妊婦での受けれることや通院の回数が少なく済むなど、柔軟な対応がメリットである反面、事前の説明が不十分なことによるミスリードや陽性だったときのフォローがないことが懸念で、私は無認定の病院は選びませんでした。
2.検査の予約
NIPT検査は妊娠10週から22週の間に受けれます。病院によっては予約が取りづらいこともあるため、予約は妊娠10週より前にしておくほうがいいと思います。
3.遺伝カウンセリングを受ける、検査に同意する、採血する
私は東邦大学医療センター大森病院で遺伝カウンセリングを受診しました。遺伝カウンセリングの時間は60分ほどで、その日に検査を受けたかったため、夫も同席してカウンセリングを受診し、夫婦両名で同意書に署名し、採血をしました。
カウンセリングでの内容をざっくりまとめると、以下のような説明がありました。
- NIPT検査の仕組み
- 検出できる染色体異常はダウン症(21トリソミー)、18トリソミー、13トリソミーの3つのみで、検出できない(できるけど検査対象としていない)染色体異常もあること
- 検出できる染色体異常は、染色体異常のうち一部であるため、NIPTで陰性と出た場合でも、それ以外の先天的な疾患を持った子供が生まれる可能性があること
- 18トリソミー、13トリソミーは流産や死産が多く、稀に出産できたとしても短命であることから、主にダウン症(21トリソミー)を中心とした説明
- 妊婦の年齢とそのダウン症発症確率
- NIPTはスクリーニング検査(リスクが高いかどうかを調べる検査)であり、確定診断のためには羊水検査が必要であること
- 検査結果で陰性だった場合は、ダウン症、18トリソミー、13トリソミーの可能性はほぼないこと
カウンセリングの中では、「陽性だったら確定検査を受けますか?それとも受けずに産みますか?」という質問はされませんでした。事前に「陽性だったら」の話を夫婦で会話しましたが、産む産まないの結論が出ていない状態だったので、どこかほっとしました。
遺伝カウンセリングを受けて印象に残っていることは、出生前診断でわからない障害もあるということ。どんな子供でも引き受ける責任が必要なんだと感じました。
4.検査結果の説明を受ける
採血から2週間後に結果の説明を受けました。
結果は陰性。結果報告書を手渡され、10分程度で説明は終わりました。
東邦大学医療センター大森病院でのNIPTについて
予約から結果を聞くまでのスケジュール感はこんな感じで進みました。
- 3/9 WEBから予約
- 3/12 東邦医療センター大森病院から電話があり、遺伝カウンセリングの日時を確定
- 4/6 遺伝カウンセリング(60分)、NIPT検査に夫婦で同意、採血
- 4/20 結果確認(夫婦のどちらか一方のみでOK)
費用は、合計237,600円。内訳は、
- 臨床遺伝 初診料 2,000円
- 遺伝カウンセリング料 8,000円
- NIPT 210,000円
- 消費税 176,000円
東邦大学医療センター大森病院のNIPTは産科とは別の科である臨床遺伝診療部が行っており、産科の妊婦検診ではNIPTに関する質問や相談は担当外とのことでできませんでした。質問、相談、予約についてはNIPTを実施している臨床遺伝診療部へ連絡する必要があります。
https://www.lab.toho-u.ac.jp/med/omori/rnsho_iden/patient/ninshin_iden_yes.html
NIPTを受診して
NIPTには賛否両論あります。NIPTを受けることは、「命の選別」なのか、「妊婦が赤ちゃんの情報を知るための選択肢」なのか。
陽性だった場合どうするかは、答えを持ち合わせないまま検査をしました。ただ、結果が陰性とわかったときに「よかった」と思ってしまったのは、陽性だったら産まないという決断を考えていたからだと思います。経済的なこと、夫婦ともに40歳近いことからそう考えていました。